徒然雫

☆もの悲しさ疼く物語☆

400文字の雫物語(恋)

輝緑  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、懐かしいメロディーにもの悲しさ疼く物語≫ 輝緑 懐かしい曲が耳をくすぐる。 まだ未来を信じていたあの頃、お気に入りの曲で何度も胸を締め付けられた。 「いい曲あるよ。聴く?」

歪形  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、見苦しい心のもの悲しさ疼く物語≫ 歪形 グニャリと歪む。 ペンダントライトを天井から吊るすシャンパンゴールの線が、真っすぐ伸びているはずなのにグニャリと歪んでいる。 まるで生物のようにグニャリグニャリと踊りだす。

懐疑  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、疑いを拭えないもの悲しさ疼く物語≫ 懐疑 彩光の中を走り抜ける馬たちを見ていると、急かされているような気持ちになる。 そして胃がキュッと少し上がったような感じになる。 隣を見ると友人は「イケーッ!!」と、周りの人たちと溶け込んで…

姑息  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、クリスマスが近づく一時のがれのもの悲しさ疼く物語≫ 姑息 「俺、お前のこと好きみたい」 澄んだ冬の陽射しが射し込む教室のざわめきの中、そう聞こえたような気がした。 私に恋人がいることを知っている彼がそんなこと言うはずがないのだか…

玉響  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、始まりかけた恋の思い出にもの悲しさ疼く物語≫ 玉響 空が黄色く染まる季節に駅の改札口に立つと、忘れたはずの玉響の恋にふっと追いつかれそうになる。 あの頃、三歳差が今よりもっと大きく感じられ、彼の若さがただただ眩しかった。 待ち合…

憂愁  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、ひたむきな想いでもの悲しさ疼く物語≫ 憂愁 ひたむきな想いが後を追ってきて、憂愁の影が伸びてゆく。 落とした絵の具が画用紙の上で広がってゆくように、木々がぱっと朱色に染まった。 誘われるままに美術館へ来たけれど、ズシリと重いもの…