徒然雫

☆もの悲しさ疼く物語☆

400文字の露物語(蒼)

喪失  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、失われてゆくものへのもの悲しさ疼く物語≫ 喪失 彼女の歯に衣着せぬ発言から滲みだす満たされている者独得の朗らかさが、苦手だった。 優しい両親や素敵なお兄さんからとても大切に、とても可愛がられてきた彼女はとても素直だったのだろ…

憫然  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、憂苦に囚われもの悲しさ疼く物語≫ 憫然 夫がまだあの女と逢瀬を重ねている。 罰なのだと思う。 三か月前「寂しかったから……」と目を伏せた夫に、「ごめん」と呟いてしまった。

擬態  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、テスト期間の教室でもの悲しさ疼く物語≫ 擬態 「勉強した~?」 「やってないよ~」 テスト期間になると交わされる無意味な会話。

微笑  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、可愛さの武器による傷がもの悲しく疼く物語≫ 微笑 4人組の制服姿の女の子たちが、隣の席に座った。 「彼氏とはどう?」の言葉が耳をくすぐってきたので、気付かれないように彼女たちを観察する。

空疎  *400文字の雫物語

≪400文字の中に、教室の中のもの悲しさ疼く物語≫ 空疎 キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。 時間を切り裂くように終業のチャイムが鳴る。 机の上の教科書とノートを片付け、友人の机までゆく。