徒然雫

☆もの悲しさ疼く物語☆

空疎  *400文字の雫物語

 

≪400文字の中に、教室の中のもの悲しさ疼く物語≫

 

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空疎

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。

時間を切り裂くように終業のチャイムが鳴る。

机の上の教科書とノートを片付け、友人の机までゆく。

とりとめのない話を座ったままの友人と笑顔で始める。

休み時間を埋めるための空疎な時間が、のっぺり流れてゆく。

月曜日から土曜日まで、1限目から放課後まで繰り返される。

座ったままの友人と立ったままの私。


ある日の休み時間、私は席を立たなかった。

そこへ友人はやって来てはくれない。

チラリと友人の方を見ると、座ったまま近くにいる人と話している。

唇をキュッと噛んだ。


キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。

終業のチャイムは繰り返し鳴り続けることを止めない。

机の上をノロノロ片付け、いつものように友人の机までゆく。

独りでいることは怖くはない。

けれど、独りでいる可哀そうな子だと教室中から思われるのが怖い。

友人の横に立ち、笑顔を貼りつけ、はしゃぐ。

空疎な私……。

 

 

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