徒然雫

☆もの悲しさ疼く物語☆

歪形  *400文字の雫物語

 

≪400文字の中に、見苦しい心のもの悲しさ疼く物語≫

 

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歪形

グニャリと歪む。

ペンダントライトを天井から吊るすシャンパンゴールの線が、真っすぐ伸びているはずなのにグニャリと歪んでいる。

まるで生物のようにグニャリグニャリと踊りだす。

線の下に吊るされた雫型のガラスは、風船のように膨らんだり縮んだりを繰り返す。

背中に当たる床の冷たさが、体内にまで伝わってくる。


美しい人は『秘める恋』を好む。

見苦しい人は『ひけらかす恋』を好む。


美しい人は、他の恋、次の恋のためにも、今の恋を周りにはひっそりと……。

見苦しい人は、他の恋、次の恋を匂わせるために、今の恋を周りにはこれみよがしに……。


相手からの想いを求めすぎて、疑念を拭えずに去ってしまった恋。

秘めることで美しい人の振りをした私は、愚かにも相手への恋も秘めてしまった。


周りからどう思われるのか気にし過ぎて、一歩踏み出せずに消えた恋。

ひけらかすことで周りから肯定されようとしていた見苦しい心は、グニャリと歪んでいたのだろう。

 

 

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